日本では古くなったマンションの取り壊し例は少なく、権利関係の情報にも詳しくない人も多いのが実情です。
マンションを取り壊す場合はマンションの住民は区分所有に応じた費用などを支払う必要があります。
一方で、立て替え時の権利なども持っているのがポイントになります。
目次
日本ではマンションの取り壊しの権利が使われたことが少ない
マンションを取り壊しのが容易ではなく、権利が使われたことが少ないという現実があります。
これは法律上住民が一人でも反対している場合は取り壊し自体ができなかったためです。
しかし、耐震基準の見直しなどで全ての住民の同意が必要なくなり、建て替えが容易になったことで事情が大きく変わりつつあります。
欠陥工事などで耐震性に問題があることがわかったマンションなども存在するため、権利を知っておくことも重要になっているのです。
取り壊しの場合は、立て替え時にも済むことを前提にするのか、引越しを前提にするかでも内容がかわるのもポイントになります。
マンションの取り壊しで引っ越すなら権利の買取を求めることができる
マンションの取り壊しが決まった場合は、立て替えたあとにまた住むのか、マンション自体を引き払うのかという選択に迫られます。
マンションの保有者は区分保有という権利を有していて、自分の部屋などとして購入できる専用部分、エントランスや階段などの共用部分、敷地の一部の所有権を持っています。
マンションを引き払う場合はマンションの区分保有分を買い取ってもらい、修繕費などの一部の費用を返却してもらうことができます。
マンションの取り壊しが決まると売れなくなるわけでなく、マンションの管理者や組合が買い取る形式になるため、価値はゼロにならないのです。
マンションの取り壊し後も権利を利用する場合は解体費用などの負担が生じる
マンションの取り壊しの際も権利を所有している場合は、解体費用などを負担する必要があるかわりに、新しいマンションができた際の部屋の権利などを貰うことができます。
権利者としてマンションの設計や運営計画などにも関わることができますが、どの程度の影響が与えられるかは保有分によってもある程度変わります。
マンションは複数の人間が住んでいることが前提になるため、権利もそれだけ分散されいやすいからです。
取り壊しの費用が支払えない場合は権利を手放して買い取ってもらうことになるため、費用負担は引越しなどに伴うものに限定されていきます。
マンションの取り壊し後の権利をどうするかは重要に
マンションの取り壊しで権利の保有を続けることが現実的ではないケースもあります。
マンションの取り壊しは解体費用がかかるだけでなく、建て直すのであれば建築分の負担なども生じるからです。
契約内容にもよりますが、どこまでを誰が負担するかは非常に重要なポイントになってきます。
また、建て替えが済むまでどこに住むのかも重要で、中古のマンションを買い入れて移り住むようなケースもあります。
権利を保有すればそれに伴う費用負担が発生するため、建設期間中も含め権利の保有を続けるかはしっかりと考えておいた方が良いのです。
マンションの取り壊しで権利が解消されるケースとは
マンションの取り壊しをする場合は、建て直しなどをする財力や資源などがなく、土地を売却して清算を行う場合もあります。
この場合は解体費用の負担は生じますが、区分保有分の権利に応じて土地の売却額などに応じたお金を受け取ることができます。
解体費用が高い場合は負担が生じ、解体費用よりも土地の売却による利益が大きければ自分がお金を受け取ることができます。
都心と地方では地価が大きく異なるため、権利に伴うリターンも大きく変わっていくのです。
費用負担が大きくなることが予測される場合は取り壊しよりも前に売却して引っ越すことも視野に入ります。
マンションの取り壊し時には保有分に応じた権利を行使できる
マンションの取り壊し時には、マンションの住民は保有分に応じた権利を行使できます。
取り壊し自体に異議を唱えるだけでなく、保有分の買取を求めることや、取り壊し後の権利の保有を続けることもできます。
取り壊すことになったからすぐに価値がゼロになるわけではないのです。
ただし、取り壊し後に保有分に応じた敷地などの買取を求めても地価によっては解体費用の方が高くなるケースがあることにも理解が必要です。