自分の住んでいるマンションが火事に遭遇した場合、その資産価値は下がるのか?たとえ火元が自分の部屋でなくても、住んでいるわけではなくただ投資しているだけのものだとしても、その後の瑕疵による影響というのがどのようなものなのか解説していきます。
目次
自室マンションでの火事は資産価値を下げる?!
自分が住んでいるマンションの部屋で火事を起こしてしまった場合、その後の資産価値への影響は大きいといえます。
焼けた部屋の復旧は賃借人契約の際に入る保険などで直すことはできますが、問題なのは嫌悪履歴という心理的瑕疵が不動産側に残ってしまうこと。
今後、この物件を賃貸もしくは売買する際に相手方に「過去に火事があった」事実を伝えないといけません。
当然、売値や賃貸料は通常の平均価格よりも低く設定することは必然となるでしょう。
また火災の規模にもよりますが、基礎部分にまで影響が及んでいるとしたらマンション自体の強度にも関係してきますので、資産価値の低下は他の部屋にも及ぶことが予想されます。
マンションが火事でも原状回復で資産価値は維持できる?
火災後の自室の原状回復のための費用(修理費用)は、自身が加入している火災保険でカバーできるとしても、自室以外の共用部分(ベランダ・外壁・窓)など一番被害が大きくなりやすい箇所では保険の対象になりません。
その場合はマンションの管理組合の方で対処できるようにはなるものの、すべて原状回復したとしても内部の基礎部分の回復まではマンション自体の大規模改修などをしない限り無理でしょう。
マメに修繕工事を行なっているマンションなどは別として大規模改修ともなるとせいぜい10年に1度程度です。
自室で火事を出してしまった場合、もはや資産価値は期待しないほうがいいかもしれません。
マンションが火事に!?別の部屋でも資産価値に影響する?
たとえ火元が自分の部屋ではなく別の部屋だったとしても資産価値への影響はあります。
たとえ自室ではなく近隣の部屋であっても消火活動による放水の影響は近隣の部屋にも少なからず及ぶものだからです。
競売物件を見て回っていた人が、上階で火災があって放水したため天井がほとんどカビだらけという状況を目の当たりにした、という口コミも見受けられます。
そのようなことからも別室での火災も他人事ではなく、同じマンション内であれば全ての部屋で多少なりとも資産価値への影響を与えてしまうということ。
自分の部屋が無傷だからといって安心してはいられないのです。
マンションで火事が起きた場合の心理的瑕疵による資産価値への影響
火事だけに限ることではなく、様々な事故物件(殺人・自殺・事故死・孤独死・水害など)や、訳あり物件(近隣に墓地・葬儀場・ゴミ処理/産業廃棄物施設・宗教的施設・暴力団勢力など)には、個人差はありますが心理的瑕疵がつきものです。
そのような物件の場合、売買時または賃貸借する際には必ず売主や貸主が相手方に伝えなければならない「告知義務」が生じます。
この告知義務を無視して相手方に説明しないまま売却や賃貸借をしてしまうと「瑕疵責任」が生じ、多少なりとも資産価値にも影響があるでしょう。
ですがキチンと告知して相手が納得して契約をするのなら、もはや資産価値云々などは問題ではなくなります。
マンションが火事でも人気物件なら資産価値の維持は可能!?
自分のマンションで火事が起こっても(自室だろうと隣室だろうと)、火事の規模がボヤ程度の小さいもので基礎部分への影響がほとんどない場合は資産価値にはそれほど影響はありません。
またマンション自体の立地が良く、もともと人気のある物件だった場合でも原状維持もしくはそれ以上のリフォームをすることにより資産価値を維持することができます。
あるいはリフォームの規模によっては購入時以上に資産価値を上げることも可能になることだってあります。
火事を起こしたからといってあまりにも悲観的になりすぎる必要は全くありません。
マンションでの火事は資産価値を下げるケースの方が多い?
以上のようなことから、マンションで火事を起こした、もしくは隣室での火事(もらい火)などの際は基本的にその後の資産価値は下がると思っておいた方がいいでしょう。
火災の規模やリフォームの度合いによっては寧ろ上がるケースもありますが、割合的には低いといえます。
まずは火事を起こさないこと、そして起きてしまった場合への対処法としては、火災保険への加入が最善策となります。