今回は、マンションの下がり天井が抱える5つのデメリットを紹介します。
マンションでよく見られる一部が低くなっている天井が「下がり天井」です。
梁やダクトなど天井を下げる理由はいろいろですが、全体的に天井を下げるよりも広い空間がとれるというメリットがあります。
しかし、下がり天井にはメリット以外のデメリットも抱えています。
目次
マンションの下がり天井で生じるデメリット|実際の天井高よりも低く感じられる
マンションの下がり天井は部屋を狭く感じさせるデメリットを抱えています。
マンションの図面に記されている天井高よりも下がり天井の高さは低くなります。
そのため部屋の中央部分を下がりダクトが大きく横切っているような間取りの部屋では本来の天井高を感じにくく、下がり天井による圧迫感で部屋が狭く感じられてしまいます。
壁際の下がり天井はそれほど印象が強くありませんが、独立して存在する下がり天井は小さなものでも部屋に圧迫感を与えます。
せっかく広いマンションなのに下がり天井のせいでせま苦しく感じるようでは快適に過ごせません。
図面からだけはわかりにくいせまさや圧迫感は内見や下見で確認しておく必要があります。
マンションの下がり天井で生じるデメリット|見た目が悪い
下がり天井があると天井に余計な出っ張りができてしまい見た目がよくありません。
家具やインテリアを工夫して部屋をフラットでシャープな印象にまとめても下がり天井があると統一感が生まれずコーディネートが台無しになってしまいます。
無機質で無骨な印象があるので部屋をスタイリッシュにまとめにくくする厄介者です。
下がり天井の走る方向によって空間の印象が大きく変わってしまうのも大きなデメリットです。
部屋の中央を走る下がり天井は実用上は支障がなくても空間を分断する印象を与えてしまいます。
室内の動線も下がり天井によって誘導されやすく、使いやすい間取りのはずなのに心理的に違和感を覚えてしまいます。
マンションの下がり天井で生じるデメリット|家具が入れにくい
マンションの室内に下がり天井があると家具が入れにくいという実用上のデメリットもあります。
室内のトータルコーディネートに天井まで届く家具はとても魅力的ですが、壁際に下がり天井部分があると天井高いっぱいの家具を設置することができません。
設置できる家具は下がり天井の高さ分だけ低い家具に限られてしまい、選択肢は少なくなります。
低い家具しか入れられなければ部屋の収納力は落ちてしまいますし、下がり天井の高さいっぱいの家具を選んでも余計なものが家具の上に載せられているようで見た目もよくありません。
耐震用に突っ張り棒で家具を固定しようとする場合、梁に直接壁紙がはられていればしっかり固定できますがダクト隠しで設けられた薄い下がり天井だと十分な強度が確保できない可能性があります。
マンションの下がり天井で生じるデメリット|影になる部分ができてしまう
下がり天井があると天井に影になる部分ができてしまいます。
明るい照明を設置しても下がり天井で遮られて影になってしまえば部屋を十分に明るくできません。
配線によっては下がり天井のすぐ横に照明が来ることもあり、位置的にはほぼ真横なのにほとんど光が届かないケースも見られます。
下がり天井の影になる部分は汚れがたまりやすいというデメリットもあります。
フラットな天井であれば一部だけ汚れるということはありませんが下がり天井があると影になる角部分が汚れやすくなります。
ただでさえ掃除しにくい天井に汚れやすい部分ができてしまうのは大きなマイナスです。
マンションの下がり天井で生じるデメリット|リフォームしにくい
最近流行りの中古マンションリフォームにおいても下がり天井は厄介者です。
下がり天井の下には構造上動かすことが難しいダクトや配管、梁などがあるためリフォームで下がり天井をとることは基本的にできません。
下がり天井をなくすには構造にまで手を入れるか下がり天井の高さに合わせて天井全体を低くするしかなく、せっかくリフォームしても室内の有効空間が減ってしまいます。
デザインで下がり天井が目立たないようにしたりインテリアの一部として取り入れたりといったプランもありますが、下がり天井が抱える根本的なデメリットをリフォームで改善するのは簡単ではありません。
下がり天井があると自由度の高さが魅力のマンションリフォームで制限が生じてしまいます。
マンションの下がり天井で生じるデメリット|下がり天井は図面だけでなく必ず現物を確認
下がり天井は図面上では点線で記されています。
下がり天井の有無は図面で確認できますが、マンションを検討しているなら必ず現地に足を運んで実物を自分の目で確認しましょう。
下がり天井が室内に与える影響は間取りやデザインによっても変わるため図面だけでは判断できません。
大きな下がり天井でもほとんど気にならない部屋もあれば小さな下がり天井のせいで価値が大きく下がる部屋もあります。
図面だけで判断せず必ず実物をチェックして物件の価値を確かめてください。