アパートの賃貸契約書はちゃんと確認していますか？
「賃貸借契約書」は、賃貸物件を契約する際に必要となものです。
一見難解にみえますが、おおよその様式は決まっています。
そこで、アパートの賃貸契約の際のトラブルを防ぐためにも、賃貸借契約書の記載内容についてきちんと理解しておきましょう。
目次
アパートの賃貸借契約書の内容
賃貸借契約書は、契約の内容によって異なりますが、国土交通省が提供する「賃貸住宅標準契約書（改訂版）」を基準とすることが少なくありません。
また、記載されている内容は一般的に以下のような項目となっています。
- 契約期間と更新について
- 賃料や管理費（共益費）の額、支払い、滞納時のルールについて
- 敷金について
- 反社会的勢力の排除について
- 禁止事項について
- 修繕について
- 契約の解除について
- 借り主からの解約について
- 原状回復の範囲と内容について
- 特約事項について
このうち、特に重要となる項目やポイントについては、必ず確認し、チェックしておきましょう。
アパートの賃貸借契約書のチェックポイント①物件内容
賃貸借契約書の冒頭にはまず物件名称や所在地や建物の構造のほか、築年数、間取り、部屋番号などが記載されています。
そこで、実際に契約しようとしている物件と内容が一致しているか必ず確認しましょう。
あわせて、部屋と一緒に借りることになる備え付けの設備である附属品も確認します。
これらは故意に壊した場合などで限り、修理費用は所有者、つまり大家の負担となります。
一方、前の入居者が残した「残置物」は附属品とは異なり、たとえ使用が可能でも故障などに対して補償はありません。
ただし不要であれば撤去してもらうこともできます。
アパートの賃貸借契約書のチェックポイント②契約期間と費用
アパートの賃貸における契約期間については、2年契約となる場合が多いですが、必ずしも必ず2年間住まなければならないわけではありません。
しかしながら、解約通告期間については、解約通告は2カ月前と定められていることが多く、この場合1カ月前の通告だと1カ月分多く家賃を支払うことになるため注意が必要です。
また、アパートの賃貸契約では、家賃や敷金、礼金のほかにも費用が発生します。
更新料や更新事務手数料のほか、電球の取り換えやエアコンの修理などが必要になった場合、その費用は誰が負担するのかなども事前に確認しておきましょう。
アパートの賃貸借契約書のチェックポイント③特約
国土交通省の「原状回復ガイドライン」によれば、ルームクリーニングや時間の経過によって自然と劣化した通常損耗、たとえば日焼けによる壁紙の黄ばみなどは、基本的に借主に負担義務はないことになっています。
しかし、実際には特約によって異なる契約内容になっていることもあり、トラブルも少なくありません。
また、途中解約をすると違約金が掛かるような特約が設けられていることもあります。
このように、特約にはさまざまな条件が盛り込まれていることもあるため、賃貸借契約書ではこの内容もきちんと確認しておかなくてはなりません。
アパートの賃貸借契約書と重要事項説明の違い
賃貸借契約書は賃貸物件を借りるための契約書ですが、重要事項説明書は不動産会社などの宅建取引主任者が説明のうえ、物件の状態などを確認するための書類です。
内容が類似している部分もありますが、基本的には重要事項説明の内容に納得した上で賃貸借契約書が取り交わされます。
ただし、賃貸借契約書と重要事項説明書の内容に齟齬があった場合、賃貸借契約書の内容が優先されるので注意が必要です。
とはいえ、重要事項説明と契約は同日に行われることが多いため、トラブルを未然に防ぐには、事前に重要事項説明書もらっておき、十分な時間を確保し、疑問点を解消してから契約に進むのがベターです。
賃貸契約では時間をあまりかけずに契約が成立することもあります。
このため詳細が十分に理解できていないためにトラブルが起こることが少なくありません。
また、賃貸仲介業者の場合、契約成立後にトラブルのケアをしてくれることは稀なため、契約時にはきちんと賃貸借契約書および重要事項説明書などの内容を精査しておく必要があります。