不動産の利回り計算をエクセルで作成するにはどうしたらよいのでしょうか。
不動産投資の目的のひとつは家賃収入を得ることにありますが、このすべてが利益になるわけではなく、修繕費や水道光熱費といった費用や、固定資産税などのランニングコストも発生します。
このため、不動産を安定的に運用するにはこうした費用やランニングコストを正確に把握することが大切です。
また、不動産投資においては複数の支出を考慮しながら、物件の収益性を把握するほか、利回りを計算しなければなりません。
そこでこれらのデータを管理するにはエクセルを活用すると便利です。
目次
不動産の利回り計算をエクセルで作成|不動産投資で重要な収支管理
不動産投資においては、安定的な収益を確保することが最重要事項です。
また、不動産投資の場合、投資の対象となる不動産の購入価格が大きく、通常は融資を受けた上で運用を行います。
ところが、安定的に運用できないケースでは返済計画にも影響を及ぼす可能性があるのです。
このため、大切なのは収支管理でこれをきちんと行うことにより、安定した不動産投資が実現します。
不動産の利回り計算をエクセルで作成|管理すべき項目
不動産投資において、家賃や管理費、修繕積立金などは市場環境や建物の管理状況によって常に変動します。
また、このうち家賃に関しては物件の稼働率、空室期間、募集条件などにも影響されるため、不動産投資はより複雑なものとなりますが、収支管理では、まずはこれらの変動要素を正確に把握する必要があるのです。
また、不動産投資の場合、入出金の経路が多岐にわたるため、実際に収支管理を行う際には、管理会社の家賃送金や、銀行の融資金の引落、建物管理会社への管理費や修繕積立金の支払、自治体から徴収される税金なども一元的に管理しなくてはなりません。
不動産の利回り計算をエクセルで作成|利回りの計算
管理すべき項目が把握できたら、次に実際の利回りを計算します。
利回りには「想定利回り」「表面利回り」「実質利回り」の3つがあり、計算方法は以下の通りです。
- 想定利回り=満室を想定した家賃収入/不動産の購入価格
- 表面利回り=現在の家賃収入/不動産の購入価格
- 実質利回り=(現在の家賃収入―諸経費)/(物件価格+購入時の諸経費)
これらの3つの利回りのうち、実際の収支管理には実質利回りを使用します。
これはランニングコストを反映することで、実際の運用状況を知ることができるからです。
不動産の利回り計算をエクセルで作成|エクセルの活用
さまざまな項目の管理や利回りの計算は、手書きで行ってもかまいませんが、パソコンの表計算ソフトである「エクセル」を活用すると非常に便利です。
そこでまず、実際に計算を行うためにはエクセルのテンプレートが必要ですが、作成にあたっては多くのインターネットサイトにさまざまな解説が図解や動画で掲載されているのでこれらを参考にするとよいでしょう。
また、こうしたサイトではすでに作成されたさまざまなテンプレートをダウンロードすることもできる場合もあるので、これらを利用する方法もあります。
このようにして作成、あるいは入手したテンプレートは利回りの計算はもちろんのこと、項目をカスタマイズすることによって、さまざまな活用が可能です。
たとえば家賃の滞納情報や期間を入力することによって、家賃回収に利用するといったことも考えられます。
不動産の利回り計算をエクセルで作成|さらに高度な分析
エクセルを活用すれば単純な利回りの計算が容易になるだけでなく、さらに高度な分析も可能になります。
それが、「NOI利回り」と「NCF利回り」です。
そこで、これらの計算方法をみてみると、それぞれ以下のようなものとなっています。
- NOI利回り=営業純利益(NOI)/不動産の購入価格
- NCF利回り=(NOI+一時金運用益-資本的支出)/不動産の購入価格
このうち一時金運用益とは敷金などのことで、資本的支出とは改良費や耐用年数延長ための支出を指します。
その上で計算されるNOI利回りは純利益を求めることで不動産の収益性を知ることができ、NCF利回りでは長期的な視点での支出の把握が可能です。
ここまでのように、不動産投資においてエクセルを活用すれば正確に利回りが計算できるだけでなく、高度な利回りの分析も可能になります。
また自分でテンプレートを作成するのはハードルが高いと感じるのであれば、まずは配布されているテンプレートをダウンロードし、徐々にエクセルに慣れていくとよいでしょう。