今回は、スキップフロア型マンションのデメリットを5つ紹介します。
エレベーターが全階に止まらない構造のマンションがスキップフロア型マンションです。
1~2階おきにエレベーターを停めることで共用廊下を配したデザインが特徴のスキップフロアですが、実際に暮らすことを考えると利便性はどうなのでしょうか。
目次
スキップフロア型マンションのデメリット|独自のデザイン性は賛否がわかれる
スキップフロア型マンションはエレベーターと外階段の組み合わせでデザインされます。
一般的な共用廊下ありのマンションでは部屋の片面が共用廊下で塞がれてしまうためデザインもある程度限られてしまいますが、共用廊下のないスキップフロア物件なら通常のマンションでは不可能な自由なデザインが可能です。
特徴的なデザインとしては部屋の両側面に開口を設けた両面バルコニーが挙げられます。
外廊下ありだとバルコニーは片面にしか設置できませんが、外階段のみのスキップフロアなら部屋の両側面にバルコニーを設置して開放的なデザインの部屋が実現します。
また、スキップフロア構造だと天井高を高く取れるのでロフトと組み合わせた吹き抜けなどデザイン性の高い間取りも可能です。
独自のデザイン性は魅力になる反面、実用性にかける面もあります。
吹き抜けは光熱費がかかりやすく、高層建築物が近くにあるとバルコニーの外からの視線が気になります。
デザインだけで飛びつくと失敗しやすいので注意が必要です。
スキップフロア型マンションのデメリット|独立性が確保されるが人の目は届かない
共用廊下がないスキップフロア型マンションでは高い独立性が確保されます。
廊下つきのマンションは扉の向こう側は共用部分なので、扉1枚隔てた向こう側を不特定多数の人が通りますが、スキップフロア型では構造上関係のない人間が自宅前に来ることはありません。
セキュリティ的な観点からすると外部の人間に不用意に自宅に近づかれないというのはとても安心です。
マンション廊下の騒音というのは想像以上に室内に響きます。
特に宅配業者が使う台車は車輪のガラガラという音が響きやすくストレス源になりますが、廊下のないスキップフロア型マンションでは騒音はずっと少なくなります。
廊下で子どもの遊ぶ声などにも悩まされないのでご近所トラブルも防げます。
独立性の高さは人の目が届きにくいというデメリットにもつながります。
他者の目が届かないのは空き巣にとっても好都合です。
独立性が高いといっても完全に人が入れないわけではないので十分な防犯対策は必須です。
スキップフロア型マンションのデメリット|バリアフリーに逆行
スキップフロア型マンションのデメリットとして挙がるのがバリアフリーの問題です。
スキップフロア型マンションでエレベーターが停止しないスキップ階に移動するには外階段の利用が必須です。
階段移動は1階分だけなので移動距離そのものは短いですが、近年進められる住宅のバリアフリー化には完全に逆行しています。
階段移動の負担そのものはそれほどでもありません。
帰宅時は自宅の上階でエレベーターを降り、外出するときは1階下でエレベーターに乗れば階段は降りるのみで登る必要はありません。
しかし、高齢になると上り階段よりもむしろ下り階段のほうが足腰にかかる負担は大きくなってしまうためたった1階とはいえ階段移動の負担は無視できません。
スキップフロア型マンションのデメリット|建設コストが高くなる
スキップフロア型マンションはその特殊な構造から通常のマンションよりも建設コストが高くなります。
デザインにもよりますが平均すると1~3割ほど建設コストが高くなるため、家賃や販売価格もそれに合わせて上がります。
スキップフロア型マンションを建設するには高い建築技術が必要なため施工できる建設業者が限られてしまいます。
手がけられる業者が少ないことから競争が起きにくく、結果として建築コストの高止まりが発生しています。
スキップフロアには空間をムダなく使えるというメリットがあるため、高くても十分な生活空間があるマンションに住みたい人には向いていますが必ずしもコストパフォーマンスに優れるわけではありません。
住まいへのこだわりを満たしてくれる魅力的な物件は多いですがそれなりの費用負担は覚悟する必要があります。
スキップフロア型マンションのデメリット|リセール価格が低くなりやすい
スキップフロア型マンションはエレベーターが停止する階とスキップされる階で評価が全く異なります。
停止階とスキップ階では別物件といってもいいほど試算としての評価が異なるため、スキップされる階の物件を中古で売りに出そうとするとリセール価格が想像以上に低くなる可能性があります。
スキップ階は利便性の低さから販売時も値引きされるものの、中古市場での不人気は新築値引き以上の価格下落要因になってしまいます。
資金的に余裕のある人ほどエレベーター停止階を希望するためスキップ階の物件はどうしても価格が上がりにくい傾向が出ます。
住み替えを前提にリセールのことまで考慮するならエレベーターの止まらない階のスキップフロア型マンション物件は魅力にかけてしまいます。
スキップフロア型マンションのデメリット|将来性を考慮することが重要
スキップフロア型マンションでエレベーターが止まらないスキップ階の物件を検討するなら将来のことをきちんと考えましょう。
今は階段移動が苦にならなくても年齢を重ねて体力が衰えれば大きな負担になる可能性がありますし、住まいとしての実用性は高くても試算としての評価が上がらなければリセール価格が下がり将来の住み替え計画に影響を及ぼします。
今現在の価値だけでなく将来的な価値も検討することがスキップフロア型マンションの本当の価値を見極めるポイントです。