マンションの自主防災組織の規約はどのように作成したらよいのでしょうか。
災害発生した際には、消防をはじめとした防災関係機関が現場に到着するのをただ待つだけではなく、到着までの間にマンションの住民一人ひとりが力を合わせて災害の拡大を防ぎ、命を守るための活動することが大切です。
そこであらかじめ自主防災組織を組織しておき、活動することでより効果的に被害をくい止めることが可能になります。
また、より組織的に活動できるように、組織の活動方針や規則を明確にするため、自主防災組織の規約を作成しておくことも大切です。
目次
マンションの自主防災組織の規約|自主防災組織の必要性
災害が発生した場合、災害によって発生した障害により、消防などの防災関係機関の到着が遅れたり、あるいは到着できないといった事態が発生した場合、マンションにおいては住民の活動が唯一の力となります。
このため、マンションの住民同士でお互いに協力し合い、マンションや周辺地域の安全を守らなければなりません。
そこで行われる防災活動は個々ではなく自主防災組織として、組織で活動したほうが効果的です。
また、災害において要援護者の逃げ遅れを未然に防ぐためにも、マンションの住民同士が助け合い、全員で避難できる体制づくりが自主防災組織に期待されています。
マンションの自主防災組織の規約|自主防災組織のつくり方
マンションにおいて自主防災組織をつくるには住民が自発的に結成することが求められ、それぞれのマンションにあわせた組織づくりが必要となります。
そこで通常はマンション管理組合の一環として結成するのが一般的です。
おおまかには管理組合の理事会で自主防災組織の必要性を議題として検討し、結成を提案して決議するといった流れで、具体的には以下のような手順となります。
- マンション管理組合の理事会へ自主防災組織の結成の提案
- 結成準備の担当者を決定
- 役員、班編成、規約、防災計画など基本事項の決定
- 理事会で起案の承認
- 理事会で討議・可決
- 自主防災組織の結成
マンションの自主防災組織の規約|規約の作成
自主防災組織の結成が議決されたら、いよいよ規約の作成に取り掛かります。
自主防災組織における規約は、活動を円滑に行い、組織の位置づけや体系、役割分担などを明確にするための運営ルールとして重要です。
また、規約では、組織の目的や事業内容などを明らかにするとともに、役員の選任や任務、会議の開催、防災計画の策定などについても定めますが、以下のような点に留意して作成するとよいでしょう。
- 自主防災組織を設置する根拠は、組織に参加するマンション住民の相互の合意にあることから、これ明確にした規約を定めておく。
- 自主防災組織を設ける際、マンション管理組合一部として設ける場合は、マンションの管理規約を改正すればよいが、新たに自主防災組織を設ける場合には、規約によって必要事項を明確にする。
マンションの自主防災組織の規約|規約に盛り込むべき項目
規約作成の方向性が決定したら、具体的に以下のような項目を規約に盛り込みます。
- 組織の名称や目的
- 事業
- 役員の選任方法、任期
- 会議(総会、役員会)
- 会員
- 経費に関すること
また、実際の活動が組織的に行われるよう、方針や規則もわかりやすさを重視します。
マンションの自主防災組織の規約|防災計画の作成
自主防災組織の規約を作成したら、自主防災組織の活動を円滑に進めるための防災計画も同様に策定します。
この防災計画に盛り込むのは以下のような項目です。
- 組織の編成と任務の分担
- 防災知識の普及事項、方法、実施時期
- 防災訓練の種別と実施計画の時期や回数
- 情報の収集および伝達
- 出火防止対策と初期消火対策
- 救出救護活動をはじめ医療機関への連絡など
- 避難誘導の指示の方法や避難経路、避難場所の明記
- 食料や飲料水の確保・補給や炊き出しの方法
- 防災資機材の調達計画のほか保管場所や管理方法など
ここまでのように自主防災組織では、組織で活動しやすいよう組織の活動方針や規約を定めることが重要ですが、災害発生時の被害の拡大を極力防止できるよう、マンションの実情に即した内容にすることが大切です。
そのうえで、住民が主体的に防災活動を行う組織であることを意識付けできるようにすることが理想です。