現在住んでいるアパートやこれから契約を行うアパートのアンペア数を確認したいのだけれども、どう確認をしたら良いのか分からないと言う方も多いのではないでしょうか?
昨今ではアパートでもオール電化の物件も増えており、予めアンペア数が高めに設定されている傾向があります。
しかし使用する機器の数や環境によっては元々の契約アンペア数では足りないと言う場合も出てくるため、自分の契約している部屋のアンペア数を確認しておく必要があります。
そこで今回は、アパートに於ける契約アンペアの確認方法や賃貸物件でもアンペア数は変更できるのかなど中心に、アパートのアンペア数について解説をしていきます。
目次
アパートのアンペアの確認方法|電力会社と契約アンペア数
そもそも契約アンペア数とはどう言う事なのでしょうか。
中部地方や関東地方から北の地域、北陸地方や九州地方の方は聞き慣れた言葉だと思いますが、関西地方から西の地域や四国・沖縄地方に住んでいた方は、馴染みの無い言葉だと思います。
契約アンペア数というのは、契約している物件で使用する事のできる最大の電力数を制限する仕組みのことを指し、電力を使う上での基本料金制度の事を契約アンペア数と呼んでいます。
このアンペア制を導入している電力会社は、中部電力・東京電力・北陸電力・東北電力・北海道電力・九州電力の6つの電力会社となっており、中部地方から西側の関西電力・四国電力・中国電力・沖縄電力ではアンペア制が導入されていません。
そのために関西圏から西側の地域では馴染みが無いと言う事なのです。
契約が行えるアンペア数は、全ての電力会社で共通となっており10・15・20・30・40・50・60アンペアの中から自由にアンペア数を選ぶ事が可能で、契約するアンペア数が大きいほど基本料金が高くなっていきます。
アパートのアンペアの確認方法|現在のアンペア数を確認する方法
契約アンペア数とは、使用する事のできる電力数を制限し電気を使う上での基本使用料の事を指しますが、現在住んでいるアパートの契約アンペア数やこれから賃貸契約を結ぼうとしている物件のアンペア数はどの様に確認したら良いのでしょうか。
まず既に居住している場合の確認方法ですが、大半の賃貸アパートの場合は室内玄関の扉の上やキッチンの周辺に分電盤と呼ばれる装置が設置されています。
この分電盤は、使用している電力が契約アンペア数をオーバーした時や過電流などが起きた場合に自動で電気を遮断する役割を担っており、俗にブレーカーと呼ばれています。
この分電盤は3つの機器で構成されており、1つ目がサービスブレーカー(電流制限器)、2つ目が漏電ブレーカー(漏電遮断器)、3つ目が安全ブレーカー(配電遮断器)となっています。
1つ目のサービスブレーカーは電力会社と契約しているアンペア数が数字や色で確認できる機器となっており、既に居住しているアパートで契約アンペア数を確認したい場合には、分電盤の1番左側に設置されているサービスブレーカーを見れば、契約しているアンペア数を知ることが出来ます。
次にこれからアパートなどを契約する場合の確認方法ですが、仲介を行っている不動産屋や貸し主である大家さんへ直接連絡をする事で契約アンペア数を知ることができますし、物件確認を行う際に、分電盤を見ることでもアンペア数を確認する事が可能です。
アパートのアンペアの確認方法|アンペア数の目安は?
契約するアンペアで最も悩み所となるのが、どのアンペア数を契約するかと言う点です。
契約アンペア数が高いほど多くの電気機器を同時に使用できるメリットがありますが、その反面基本料金が上がってしまうと言うデメリットも発生する為、無駄の無い契約をしなければなりません。
一般的な電気機器のアンペア数は、冷蔵庫が約1.5~2.5アンペア、電子レンジが15アンペア前後、エアコンが15アンペア、炊飯器が10アンペア、ドライヤーが12アンペア、液晶テレビが2アンペアなどとなっており、これらを複数同時使用した場合でも契約アンペア数をオーバーしないアンペア数を契約しなければなりません。
単身世帯の賃貸アパートでは、設置できる電気機器の数が少ないことや機器自体が小型で済むため、20~30アンペアの契約であれば生活に支障は出ないと言われていますが、複数人が居住できるファミリータイプのアパートや、単身世帯でも消費電力の多い機器を複数使用する場合には30アンペアでは不足してしまう恐れがあるため、40アンペア以上の契約が望ましいと言われています。
アパートのアンペアの確認方法|賃貸アパートでもアンペア数は変更できる?
戸建てや購入したマンションは建物や部屋自体が個人所有物となるため、契約アンペア数を自由に変更する事ができますが、賃貸アパートの場合はどうなのでしょうか。
結論から先に言ってしまうと、ある一定の条件を満たしていれば賃貸アパートでも契約アンペア数を自由に変更することが可能です。
電力の契約は不動産屋や貸し主と借り主の間で発生する賃貸借契約とは異なり、電力会社と電力を使用する個人間の契約となるため、物件契約とは関係のない事が理由となりますが、少なからず賃貸として借りている部屋の設備に手を加えるという事実は変わりがありませんので、後々のトラブルを避けるという意味からも不動産屋や貸し主に対して契約アンペア数の変更を伝えておく必要があります。
アパートのアンペアの確認方法|賃貸アパートなどで契約アンペア数を変更する場合の注意点
契約アンペア数は電力会社と電力を使用する個人間の契約であるため、基本的には自由に契約アンペア数を変更することが可能ですが、ある特定の条件下では契約アンペア数の変更が行えない場合や工事費用を実費負担しなければならない賃貸アパートも存在するため注意が必要となる場合があります。
1つ目の注意点は建物の構造によって契約アンペア数が変更できない場合です。
比較的に新しめの賃貸アパートであれば特に問題はありませんが、建築から時間の経っているアパートではコンセントジャックや建物の電気配線が大きな電力に対応できず、契約アンペア数を変更すると火災や漏電を引き起こす可能性がある物件については、契約アンペア数を変更することが出来ない場合があります。
また、一部の部屋だけ契約アンペア数を高いものに変更してしまうと、建物全体の電力バランスが崩れてしまい他の部屋に安定して電力を供給できないなど不具合が出る場合に於いてもアンペア数を変更できない場合があるため、契約アンペア数を変更する場合には貸し主に確認を取ることも必要となってきます。
2つ目は工事費用が発生する場合です。
契約アンペア数の変更による分電盤の交換作業自体は、各電力会社が負担をするため物件契約者やアパートの管理者が支払う必要はありませんが、アンペア数を上げ大きな電力でも対応できる配線工事行わなければならない場合には、契約者が工事の費用を実費負担しなければなりません。
配線工事の費用は5万円~10万円ほどが相場となっており、建物の構造によってはそれ以上の金額が実費負担となってしまうため注意が必要です。
アパートのアンペアの確認方法|まとめ
今回は、アパートに於ける契約アンペア数の確認方法や賃貸物件でもアンペア数は変更できるのかなど中心に、アパートのアンペア数について解説をしていきましたが、既に居住している物件については、分電盤を見れば契約アンペア数を確認できるためわざわざ電力会社へ問い合わせる必要はありません。
契約前の物件に関しても、大半の場合で不動産屋や貸し主に問い合わせれば、契約アンペア数を確認する事が可能です。
契約するアンペア数はアパートの大きさや居住する人数によって異なりますが、単身世帯では20~30アンペア、2人以上の世帯や電気機器を多く使用する場合には40~50アンペアが目安となりますので生活スタイルに合わせたアンペア数を確認し、電力に余裕を持った契約をすると良いでしょう。