騒音対策がされていそうな楽器可マンションなのになぜうるさいのでしょうか。
ほとんどのマンションは騒音を発生させる行為を規約で禁止しています。
楽器演奏も禁止項目の一つですが、中には楽器演奏を認める楽器可マンションも存在します。
しかし、楽器可マンションならさぞ防音もしっかりしているだろうと思って入居したら予想外にうるさかったというケースも珍しくありません。
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楽器可マンションなのにうるさいのはなぜなのか|楽器可には基準がない
賃貸情報誌を見てみると物件情報の中に「楽器可」と記載されたマンション物件がいくつか見つかります。
全体の数からすると楽器可物件は1割にも満たない数ですが、楽器を演奏したい人にとっては非常に魅力的な物件です。
誤解している人も多いのですが、マンションを「楽器可」にするために特別な条件は設けられておらず法的な規制は存在しません。
「楽器可」というのは物件オーナーが定める独自のルールでしかなく、単に規約で楽器演奏を禁止していないマンションであるという意味です。
ほとんどの楽器可マンションは防音工事などの対策が施されていますが、中には普通のマンションなのに入居者を確保する目的で「楽器可」としている物件も見られます。
そんな不十分な楽器可マンションではうるさくて生活に支障をきたす可能性もあります。
楽器可マンションなのにうるさいのはなぜなのか|防音対策レベルは物件によって異なる
楽器可マンションに法的な規制や基準はありません。
多くの楽器可マンションは楽器演奏しても問題が無いように書く物件に防音対策工事が施されていますが、防音レベルがどの程度なのかは物件によって大きく異なります。
音楽教室が開けるほどしっかりした防音工事がされている物件もあれば単に吸音性が高い壁紙をはるだけの簡易工事しかされていないような騒音がうるさい物件もあります。
楽器可マンションだからといって高い防音性能が補償されているわけではありません。
本格的な楽器演奏を考えているなら楽器可という言葉だけで判断せず実際にマンションを内覧して防音性能をチェックする必要があります。
内覧中に他の部屋から聞こえてくる楽器の音がうるさいと感じるようでは防音性能は期待できません。
楽器可マンションなのにうるさいのはなぜなのか|防音対策が施されても音が響くこともある
楽器演奏をするのに十分とされる高いレベルの防音工事が施されている物件であっても安心してはいけません。
音の伝わり方というのは楽器によって異なるため、防音性能が高くても隣接する部屋に楽器の音が響いてしまう可能性があります。
ギターやサックスなど演奏者が手で持って演奏する楽器は空気が音を遮断する役割を果たすため通常の防音工事がされている部屋なら音はほぼ伝わりません。
しかし、ピアノやコントラバスなど床に直接ふれている状態で演奏する楽器は振動が直接したの階に響いてしまい、うるさい騒音源になる可能性があります。
ドラムなどの打楽器も衝撃が響くため防音工事では完全に音を防ぎきれません。
楽器可マンションなのにうるさいのはなぜなのか|全ての騒音が遮断できるわけではない
きちんとした防音工事で対策が取られている楽器可マンションだからと言って、全ての楽器音が遮断できるわけでではありません。
音は声質によって伝わり方が異なります。
具体的には高音よりも低音の方が床や壁を伝わって騒音になりやすいため、低音域の楽器のほうがうるさい騒音トラブルになりやすいのです。
もうひとつ考えなければいけないのが楽器以外の騒音です。
楽器演奏の音は遮断できても移動音など生活の音の全てがカットできるわけではありません。
楽器の音はしなくても周波数の全く異なる歩きまわる音や子どもの声などが響けばうるさいと感じられてしまいます。
楽器可マンションと防音マンションはイコールではありません。
楽器可マンションだからといって騒音に一切配慮しないのは大きな間違いです。
楽器可マンションなのにうるさいのはなぜなのか|うるさいのはマナー違反
楽器可マンションであってもむやみに音を鳴らすようなうるさい行動はマナー違反です。
楽器を演奏してもうるさくならないような配慮は必要です。
深夜や早朝に楽器を演奏するのは楽器可マンションであってもトラブルの種になります。
僅かな音でも静かな時間帯であれば静寂を乱す騒音に感じられてしまいますし、歩く音や機材を設置する音など楽器から出る以外の音が騒音になる可能性もあります。
楽器を直接床にふれさせない、というのも求められるマナーの一つです。
楽器を床に直置きすると床を伝って騒音が下の階に響きうるさい思いをさせてしまいます。
楽器を柔らかい布や吸音材などの上にセットすると余計な音がひびきません。
同様に壁にぴったりくっつけて楽器を設置するのはやめましょう。
アップライトピアノなどは壁から数センチ離すのが騒音防止になる置き方です。
楽器可マンションなのにうるさいのはなぜなのか|過信は禁物
楽器可マンションに過信は禁物です。
楽器演奏は許可されていても防音対策が完璧という保証はなく、誰かにうるさいと思われてしまう可能性があることは常に意識しておかないといつ騒音トラブルが発生するかわかりません。
周囲に迷惑をかけないために楽器可マンションを選ぶのは正しいですが、許可されているからといって好き勝手にふるまうのは大きな間違いです。
楽器を演奏する人が住むマンションだからこそお互いの配慮やマナーが必要不可欠です。